前回、こしょう味噌(青唐辛子味噌)の仕込みにお付き合いいただいた。末尾に、今度は豆腐田楽を、と予告めいたことを申し上げたが鯖にした。
この写真ではうまくお伝えできぬが、信州では滅多に手に入らないきれいな鯖との出会いがあり、いやこれは本題とずれるから別な折に書こう。とにかく〆て喰うには勇気がいるが、炙れば美味い鯖が手に入った。
普通は塩焼きか味噌煮であろう。この日、01dのドーパミンは焼き物を所望した。先般仕込んだこしょう味噌がだいぶ馴れてきた。
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まず下拵えにかかる。頭と腸を取って二枚に下ろす。ここまでは普通に拵えるが、この先に注意したい。中骨周りから血が出てくるが、とにかく丁寧にペーパーで血を拭う。骨のくぼみに固まっている血もこそげ落とす。こうしておかないと冷蔵庫で寝かせている間に臭みが出てしまうからだ。
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丁寧に水気と血を拭ったら、今度は皮に包丁を入れておこう。焼いたときの反りを抑え、こしょう味噌の馴染みを良くするためだ。背側は深く、腹側は軽く引く程度で良いだろう。
ここまで手際よく処理したら岩塩を挽く。振ったそばから、塩分の浸透圧でまだらになっていくのがわかる。塩気はあくまで下味程度、味噌の塩気を考えておかないといけない。
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こしょう味噌を塗る。塗り込む、という方が正しいだろう。切り込みにしっかり詰めるような感じで、身の内側までしっかり馴染むようにする。
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身の方も軽く塗りつけて馴染ませていく。鮮度の良い鯖ならこの写真ぐらいでちょうど良い。
冷蔵庫で少しおいてから、焼き魚の要領で炙り、しっかり火を通す。ポイントはここ、馴染ませる時間。別な機会に触れるが、鯖を「塩麹」で拵えた折は6縲鰀8時間が良かった。短時間では麹の旨味が身全体にまで回らなかった。今回、味噌の麹が(鯖の肉の)アミノ酸に働いて、というところまでは考えなくても良さそうだ。2時間、ということにした。
むろん、七輪に備長炭が理想的なのだが、01dの深夜の食卓に炭火は登場しない。現代的に(合理的に)電気グリルで炙ってしまった。結果は、カメラより先に箸を取ってしまったことから、掲載はしない。きりりと冷やした純米がことのほか進んだことは云うまでもないだろう。
【ポイント】
(1) 鯖は鮮度がいのち、生食できるものに越したことはない。
(2) 鯖の血は臭みの元、できるだけ丁寧に取り去ること。
(3) こしょう味噌の「馴染み」を考えた処理を。
(4) 馴染ませる時間には試行錯誤が必要かも。季節や素材でも変わってくる。
(5) 麹系の食材を使うとき、いずれ登場する塩麹でもそうだが、やはり純米。秋田の「刈穂・純米・原酒」などが手に入るなら、蓮の花が開くというものだ。